解析事例8 水のフラッシング流れ解析の精度検証


CRUNCH CFD - 事例8 -

液体の圧力が低下すると減圧沸騰により気体が発生します。減圧沸騰の例を下の表に示します。装置の性能や健全性を評価する上で、減圧沸騰の数値解析が役立ちます。解析技術として、流体物性や気液混相音速の正しい評価が重要です。

減圧沸騰の例

装置 流体種 現象
火力・原子力発電設備 水 → 水蒸気 フラッシング
ターボポンプや水中翼 水 → 水蒸気 キャビテーション
冷凍装置 冷媒 → 冷媒蒸気 フラッシング
プラント装置 液体燃料 → 気体燃料
(LPG、LNGや液体水素)
フラッシング
オイルダンパー 油中の溶解空気 → 気泡 エアレーション
ここでは、電力中央研究所様実施による実験の公開情報
( http://criepi.denken.or.jp/jp/kenkikaku/report/detail/L11016.html )
を参照して、CRUNCH CFDの解析精度を検証しました。実験対象はオリフィスを有する配管内の水のフラッシング流れであり、配管入口圧力は0.10~0.35[MPa]です。また、入口温度は飽和温度よりも5~42[K]低くなるように調整されています。
オリフィスを有する配管内の水のフラッシング流れ解析結果
入口圧力0.35[MPa]の場合の解析結果を以下に示します。図の左が入口、右が出口です。(a)は圧力であり、径3[mm]のオリフィス通過後、圧力が低下しています。(b)は水蒸気の質量分率であり、上流から高温水が供給されています。オリフィス通過後にフラッシングにより水蒸気が発生しています。(c)は速度絶対値であり、オリフィス通過後の水蒸気発生による体積膨張により速度が増加しています。(d)はマッハ数です。オリフィス通過後、気液混相による音速低下と、(c)に示す速度増加の影響によりマッハ数(=速度/音速)が増加しています。(d)の赤い領域はマッハ数1.0以上の超音速領域であり、オリフィス部ではチョーキングにより流量が規定されます。(d)の矢印は、急激に亜音速になる衝撃波を示しています。衝撃波において、(c)に示すように速度も急激に低下しています。

(a)圧力[Pa]               (b)水蒸気の質量分率[-]
(c)速度絶対値[m/s]             (d)マッハ数[-]

オリフィスを有する配管内の水のフラッシング流れ解析結果

測定と数値解析のオリフィス部質量流束の比較
測定と数値解析に際して、入口の圧力と温度、出口の圧力を設定して、配管内の質量流量を求めています。この質量流量を、オリフィス部の質量流束に換算して下図に示しました。図示した4条件において、CRUNCH CFDによる解析結果は、エラーバーの範囲内で測定値と一致しています。

測定と数値解析のオリフィス部質量流束の比較
(測定は電力中央研究所様実施による実験の公開情報を引用、http://criepi.denken.or.jp/jp/kenkikaku/report/detail/L11016.html


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